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2013年度RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞の発表

広島と東京から、腫瘍内科医師2名が、第4回目の受賞者に!
米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターにて1年間研修
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『2013年度RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞』受賞式を開催


日時:2014年4月18日(金)11:00~13:00
場所:有楽町朝日スクエア会議室B(有楽町マリオン11階)
   (〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目5-1有楽町マリオン11階)
主催:公益財団法人日本対がん協会
協力:The University of Texas MD Anderson Cancer Center
   一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト


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 2014年4月18日(金)、有楽町朝日スクエア会議室B(有楽町マリオン11階)に於いて、公益財団法人日本対がん協会主催、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトの協力のもと、『2013年度RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞』の授賞式が行われました。
 本奨励賞は、日本対がん協会が、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(以下MDアンダーソン)の協力を得て、日本の若手医師が同センターにおいて1年間研修する事を目的として、2010年度に設立され、2013年度は第4回目となります。
本奨励賞は、がん患者・家族・支援者の方々が日本対がん協会と一緒に推進、開催している「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」に寄せられた寄付を基に運営しております。そこには日本のがん医療向上を願う多くの患者さん、ご家族・関係者の方々の"日本のがん医療の進展"につながる人材育成への思いが込められております。

 

日本対がん協会理事長秋山耿太郎氏の開会挨拶

 

授賞式では、日本対がん協会理事長秋山耿太郎氏の開会挨拶のあと(上の写真)、MDアンダーソン乳腺腫瘍内科教授の上野直人氏からアワードの授与および目録贈呈が行われました(下の写真)。

 

MDアンダーソン乳腺腫瘍内科教授の上野直人氏からアワードの授与および目録贈呈

続いて、MDアンダーソンSenior Vice PresidentのOliver Bogler氏(Global Academic Programs VP)からビデオによる祝辞が放映されました(下の写真)。

 

MDアンダーソンSenior Vice PresidentのOliver Bogler氏(Global Academic Programs VP)からビデオによる祝辞

 

2013年度の受賞者には、厳正なる審査の結果、広島市民病院腫瘍内科河野美保氏と日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科原野謙一氏が選ばれました。
受賞者からは、MDアンダーソンでの研修に対する抱負や日本の今後のがん医療への貢献などが語られました。以下、お二人の受賞にあたっての抱負を掲載いたします。

 

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RFLマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞に選ばれて


広島市民病院腫瘍内科 河野美保

 

広島市民病院腫瘍内科 河野美保(上の写真)。
このたびはマイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞を頂き誠にありがとうございます。このような機会を頂き、嬉しさと共に身の引き締まる思いがいたします。世界屈指の癌治療施設、研究施設であるMDアンダーソンがんセンターにて勉強させて頂き、また、かねてから希望しておりました乳腺腫瘍内科の上野直人先生のもとで研究させて頂けることとなり、大変有難く思います。医師となり10年目を迎えますが、以前からこの学年で今後よりよい医療を提供していくためには、世界の医療現場を実際に見て体験し、日本医療の長所や短所に気づくことが大切であると思っておりました。エビデンスへの知識を深め日本でのチーム医療の充実を目指すうえで、世界最高峰に位置するMDアンダーソンがんセンターにて学ぶ機会を頂けたらと思い、応募させて頂きました。この受賞は、日本対がん協会の方々、リレーフォーライフジャパンへ寄付して下さった方々などの多くの方の善意により与えて頂いたものです。この賞に関わって頂きました皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
私は、広島で生まれ、幼い頃から原爆のことを身近に感じながら育ちました。被爆という悲惨な経験をした方々から多くの話を伺い、現在も後遺症で苦しんでおられるのを目の当たりにし、広島で生まれ育った者として何かお役に立てたらと考え、広島大学原爆放射線医科学研究所の血液腫瘍科に進みました。大学では、原爆が影響し広島で罹患の多いとされる骨髄異形成症候群、白血病の診療を行って参りました。そのうちに固形癌の治療にも興味を持つようになり、その中でも乳癌は罹患されている方が多く、同じ女性としてお力になれたらと思い、現在は乳癌の診療を中心に行っております。臨床を行ううえで、エビデンス通りに治療をすすめても満足できるとも限らないことを多く経験し、それだけに、エビデンスを知ることに加え、エビデンスを吟味し実際に生み出す大変さや大切さを実感しております。また、日々進歩する癌治療に対応するために多職種の特徴をいかしたチーム医療を確立する必要があり、これが私たち医療者にとってもよりよい医療環境を作る原動力になると確信しております。
今回の留学で、最高の癌の治療現場で学んだことを日本の医療に取り入れる方法を見つけてきたいと思います。このような貴重な賞を頂きましたことに重ねて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


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日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 原野謙一

 

日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 原野謙一(上の写真)。
この度は、リレーフォーライフマイオンコロジードリーム奨励賞を頂き、ありがとうございます。MDアンダーソンがんセンターという素晴らしい施設で臨床研究をする機会を頂き、大変感激しております。留学中、乳癌の臨床研究や新薬開発を学ぶ予定です。
私は、乳がんと婦人科がんを専門とする腫瘍内科医です。2004年に京都府立医科大学を卒業し、沖縄県立中部病院での臨床研修を経て、2008年より国立がん研究センター中央病院で腫瘍内科のトレーニングを受けました。その後、2011年11月より、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科の設立に携わっております。私は乳がん、婦人科がんを専門として臨床・研究を行い、また自院での患者会を開催し、昨年には埼玉でのリレーフォーライフ活動のお手伝いをさせていただきました。がん患者の方によりよいがん診療を提供するにはどうすればよいかを常に考えながら、がん診療に従事しております。
私は、実際にがんの臨床研究、臨床試験に携わるようになり、日本における様々な問題点に気付きました。がん臨床研究に関する確立した教育システムがないこと、臨床研究コーディネーターや生物統計家などの人的資源に乏しいこと、そして、臨床試験とくに早期薬剤開発に携わる医師の不足です。現在の日本においては、がん患者は欧米と比較して遜色のないがん治療を受けることが出来る状況にあると思います。とくに外科治療は世界でもトップレベルです。しかしながら、薬剤開発、臨床試験の分野においては、日本は欧米に遅れを取っています。新薬を開発するには、第1相、第2相、第3相臨床試験と段階を経てその薬剤の安全性、効果が検討されます。日本においては、とくに第1相臨床試験に従事する医療従事者が少ないのが現状です。日本の基礎研究のレベルは非常に高く、新薬の開発も盛んであるにもかかわらず、その安全性を検討する臨床試験(第1相試験)を自国で行うことが出来ないために、海外に新薬が流出することが多々見受けられます。私は、このことは非常に問題であると思います。がん患者の方が、より良い治療薬をより安全に、より早く受けるためには、自国での臨床試験の発展が必ず必要になってくるのです。
私は、こうした臨床試験や新薬開発の発展に寄与することを通じて、日本のがん患者の方がより良い治療を受けることができるように尽力したいと考えております。今回の留学で得た経験を、帰国後がんに苦しむ患者さんの為に活かしていきたいと考えております。

 


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引き続き、リレー・フォー・ライフ・ジャパンを代表して坂下千瑞子氏より、また、日本対がん協会会長垣添忠生氏より、受賞者への期待の言葉が語られました(下の写真)。

 

リレー・フォー・ライフ・ジャパンを代表して坂下千瑞子氏、日本対がん協会会長垣添忠生氏より、受賞者への期待の言葉

 

その後、「受賞者との対談-臨床研究研修の意義とは」と題し、上野直人氏および受賞者2名とのディスカッションが行なわれました。司会は日本対がん協会マネジャーの小西宏氏が務め、クリニカルリサーチ(臨床研究)を学ぶために、日本から米国に留学者をおくる意義とその重要性を、参加者は改めて確認いたしました(下の写真)。

 

クリニカルリサーチ(臨床研究)

 

授賞式の最後は、関係者一同による記念写真撮影で締め括られました(下の写真)。

 

関係者一同による記念写真撮影

 

写真左より、秋山耿太郎氏(日本対がん協会理事長)、垣添忠生氏(日本対がん協会会長)、
受賞者:原野謙一氏、河野美保氏、上野直人氏(MDアンダーソンがんセンター教授)

 

授賞式後は、レセプションが行われ、終始なごやかな雰囲気の中、有意義な歓談が行われました。 下の写真は、授賞式に参列した関係者一同による記念写真(下の写真)。

 

授賞式に参列した関係者一同による記念写真

 


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[2014/05/16 17:25] | マイ・オンコロジー・ドリーム奨励賞 | コメント(0) | トラックバック(0) | タグ: